2014年07月14日公開|ロールスロイス
なんと弊社初のロールスロイス ゴーストのご入庫です!
オーナー様はご夫婦とも弊社常連様であられ、会員様です。
然し、知らぬ間にこの様なお車を購入されていたとは・・・
しかも1年半も前だったそうです。
なぜこのタイミングでご入庫?
と思ったら、さすがロールスロイス!
コーティング程度は全車標準でサービスで施工されているそうです。
それゃー購入時に弊社に来る必要はないですね。
実際施工前洗車を行ってみると、恐ろしいくらいの水弾きをしています!
いったい、何のコーティングを使用しているのでしょうか?
この状態を確認してしまいましたので、なんかこの段階での施工はもったいないような気がしてしまいましたが、オーナー様曰く、
「洗車も都内の行きつけのGSにまかせっきりですし、そのため傷もある程度あるでしょうから、磨きたくなったんですよねー」
とのことで、弊社のような田舎磨き屋をご信頼いただけることはありがたい限りです!
とはいえ、ロールスロイスに触れるのは20年ぶり・・・
以前、東京の某会社勤めをしていたころ、会長の運転手を務めその時の車がシルバースピリットでしたので、その当時は毎日のようにロールスロイスを洗車したり磨いたりはしておりましたが、さすがに20年も前のことですし型も全く変わり、現在はBMWですからいろいろの違いもあるでしょう?
特にこのお車ボンネット部分はシルバーサテンという特殊塗装の特注・・・
世間一般的に言うところのマッド塗装の高級版!
という事で、柄にもなく不安になりましたので、以前お世話になっていたロールスロイス横浜さんに問いあわせをしみます、
「以前○○産業の○○会長のロールスの運転手をしておりました百瀬ですが、現在磨き屋を長野で営んでおり、ゴーストがご入庫いただいたのですが、解らないことがたくさんございますので、お教えいただけないでしょうか?」
意を決してTELしてみますと、
「あー、覚えておりますよ、何でもお聞きください!」
と、快く数十分に及びいろいろお教えくださりました。
ありがたかったですねー
現在ロールスロイスはBMW傘下ですので、
BMWにおいては塗装に関しては最機密事項扱いの為インポーターやディーラーに問い合わせをしてもほとんど情報は提供して頂けないので、ロールスロイスに関しても同じ対応をされるのかな?
と思いきや、自信の表れなのでしょうか?
何をお聞きしても、的確なお答えがいただけました!
場末の施工店としては助かります。
先代のシルバーセラフより伝統のマリーンV8エンジンから、
BMW製V12エンジンに代わってしまっておりますが、このゴーストはそれをさらにツインターボで武装して、
570PS・79.5kgmという途方もないパワーを有しております!
さりとて車重はこの車格にて2.530㎏に抑えられていることは驚異的でしょう。
間違いなく下手なスポーツカーより俊足です!
が・・・
こんなにぶっ飛ばして乗る車かー
オーナー様もおっしゃっておりましたが、ロールスロイスは新車販売時に営業マンは、
「ロールスロイスは絶対故障して自走負不能にはなりません!」
と言い切ります。
本当かよ?
ですが、いくら高級車と言えどもこれはあり得ません、つまり嘘・・・
なのですが、これをただの嘘とも言い切れない話があるのです。
ある方が、あるところで故障により自走不能・・・
ディーラーに当然連絡してメカニックの到着を待ちます。
ホテルで待機している間に翌日の朝には修理完了!
然し、いつになってもこのときの請求書は届きません?
疑問になってディーラーに問い合わせてみると、
「そのような修理を行った事実はございません。」
と、答えるのだそうです。
つまり、故障をして自走不能になることはない!
と言い切っている以上、そのようなことがあったことは認めない。
このような事例はかなりあるそうです。
英国人は嘘つき・・・
とよく言われますが、これなどは嘘とも言い切れないのかもしれませんねー
思い出してみると、数年間のロールスロイスの運転手時代会長のでたらめな操作での故障はありましたが、いわゆる自然故障は記憶にはありません!
ただし、定期点検時などの定期交換部品は恐ろしい量に至り、
いわゆる予防整備が完璧になされていることは大きな理由でしょう。
正規ディーラーでの車検であれば新車時でも200万は軽く超えますからねー
現行ロールスロイスの特徴はこの観音開きのドア!
このお車はEWBと行ってロングモデル、いわゆるソブリンまたはストレッチリムジンに当たりますので、標準モデルより170㎜ロングとなっておりますので、よほどの大男でも足をまっすぐに前方に投げ出したとしてもフロントシートには当たりません!
しかしこれだけの高級車でありながら、
最近の高級車に多いオットマン的なものの装備はありません・・・
なぜかわかりますか?
本来ロールスロイスは英国貴族や王室の方々のための車、パーティードレスやタキシードで行儀よく乗るための車ですので、オットマンのようなくつろいで乗るための装備は邪道なのです!
姿勢を正して乗る車。
←は所謂フロアカーペットですが、なんとムートン!!!
これだけでいったいいくらするのでしょう?
私の予想では、1枚20万かなー
内装カーペットもすごい!
レクサスのオプションフロアカーペットの最上級品よりも確実に素材感は上ですねー
リアシート中央にある集中コントロールですが、運転に関係するもの以外はすべてリアシートでコントロール可能となっています。
ただし、デザイン性が優先されているのか操作は結構分り難そう・・・
ですが、オーナーなら毎日のことですので慣れてしまうのでしょう。
当然、テーブルも用意されています。
ウッドはマホガニーでしょうかねー
今回かなりガックリしたのはこのような内装装飾品。
シルバーセラフまではロールスロイスですが、
現段階はBMW傘下ですのでやはりロールスロイスというよりも760に近い趣のような?
昔のロールスロイスやベントレーはかなりの金属素材が無垢材からの削りだしで作られた重厚感が売りでしたが、コストダウンと軽量化?
の為でしょうか、金属パーツはほとんど存在せずプラスチックメッキのみとなっております・・・
確かに普通のメッキレベルではありませんが、重厚感は感じさせられません。
ウッドに関しても同じで、すべてのウッドがベニヤとなってしまっており無垢材は一切使用されていません・・・
確かにその方が割れたそりなどには強いでしょうが、触ったときの高級感も減少してしまいます。
オーナー様も、
「5.000万の車としては内装はガックリ・・・」
と、仰っておいででした。
昔のようにすべてのパーツはロールスロイス社の管理の下での製造ではなく、
BMWが作っているのですからしょうが無いですねー
しかも社名こそロールスロイスですが、実際には旧ロールスロイスの従業員はフォルクスワーゲンに組み込まれてしまっていますので、本物のロールスロイスを望むのならば、
ベントレーのミュルザンヌあたりを買う必要があるというおかしな状態なのも理解不能・・・
ロールスらしいといえばロールスロイスにも感じられますが、どうしても質感は760のように感じてしまいます・・・
デザインは確かにロールスロイスなのですが。
BMW嫌いの私は、BMWという先入観を持ってしまうとそれだけで拒否反応が出てしまうような・・・
ウッドパネルに組み込まれたアナログ時計!
装飾もシンプルに抑えているところは、
ロールスロイスぽっくて良いですねー
やはり英国車の代表である、
ロールスロイス・ベントレー・アストンマーティンは時代に振り回されない、
英国の伝統をいつまでも表現して行って頂きたいですねー
すでに、レンジローバーやジャガーなどは全然違うところに行っちゃいましたから・・・
これ私の勝手な言い分ですが、英国高級車は売れる車など作る必要はない!
時代に流されず、本物だけを求める方々にだけ向けた車を作ればいいじゃないですかー
確かにこれでは儲からない・・・
でしょうが、どうせ浮世離れした価格なのですから、その分更に高くすればいい!
正直他人事だから言えるんですが・・・
この正面から見たロールスロイスの特徴である、グリル上につけられたマスコットの、
スピリットオブエクスタシーとパルテノングリルは、
実は意匠権はフォルクスワーゲンが所有しており、ロールスロイス(BMW)は、
フォルクスワーゲンから使用権を借りているという変な状態?
マネーゲームにより起きた変な歪みです・・・
どこかの大金持ちが、フォルクスワーゲンからはベントレーを、BMWからロールスロイスを買い取って、昔のような1枚体制の会社にしてほしいものですねー
どうです、あなた買い取りませんかー
オプション施工として、"スプラッシュビュー・ウインドウフッ素コーティング"の全面施工をご依頼いただきました!
1年半経過しているのですが、
ほとんどウインドウに水染みは見られません!
洗車を依頼されているGSは純水洗車だそうですので、
その効果のようですが、やはり純水は良いですねー
弊社も純粋洗車システムの導入を検討してきていますが、洗車スペースの改造等も一緒に行いたいために導入にはかなりの高額投資となってしまうため、なかなか踏み切れません・・・
どなたか投資してくれません?
松○様如何?
ご返事お待ちいたしております!
当然無料使用でOK。
幾らロールスロイスと言えども傷は入ります・・・
然し、1年半が経過してることを考量すれば明らかに傷は少ないでしょう!
前記したように洗車はほとんどGSでの手洗い洗車だそうですが、さすがにこのクラスの車となるとアルバイトのお兄ちゃんやオネイちゃんではないでしょう。
↑の写真見てわかる方は判ると思いますが、
普通の車とは塗装の柚子肌が全く違います!
柚子肌が無いに等しい。
弊社の05磨きコース終了後のようです。
と、いう事は?
7日間を費やし、塗装工程1層ごとに手作業の磨きが加えられていきます。
今やほとんどののメーカーで行われなくなってしまった中研ぎを行っているのです!
更には2種類のクリアーを2層にわたって塗装されており、水性クリアーも使用されておりません。
恐らく最終工程は#3.000のペーパークラスをかけてから磨き上げられていると思われます。
だから柚子肌がない!
しかし・・・
うっすらペーパー痕跡が残っている場所があるのには少々がっかり。
旧ロールスロイスの職人集団ではなく、BMWお抱えまたは現地新規雇用の職人集団ですので、昔のようなクオリティーには達していないのでしょうねー
とはいっても、今や高級車の代名詞である、
フェラーリやベンツのSクラスなどとは質感のレベルには雲泥の差があります!
日本が誇る高級車レクサス?
所詮オート塗装のレベルですから、ロールスロイスの塗装とは次元が違います・・・
5層コートでの塗装ですので、膜厚も171μありますが、
トップコートのクリアー層は30μ程度だそうです。
余り磨き倒すことはできませんので、深い傷入れには注意は必要ですね!
と言っている端から、深い傷があります・・・
今回の磨きのオーダーは"01スタンダード磨きコース"ですので、とてもこのような深い傷には対応できませんので、
磨き作業工程で発見された深い傷は追加でオプションの"スポット磨き"で対応していきます!
ただし、何か所あることか?
とりあえず、追加上限の指定はありませんので、私の納得いくレベルまで施工いたします!
↑の深い傷、スポット磨きにて処理完了!
非常に硬度の高いラッカークリアーですので、スポット磨きによる強い研磨でも余計な磨き傷が入らないので、意外と楽に磨き上げることが可能でした。
やはりいい塗料を使用して、きちんとした塗装工程を踏んでいる塗装は何を行っても楽です!
弊社にいらっしゃる途中、高速道路のSAでウレタンポールにぶつけてしまわれたフロントバンパーの左サイドもやはり線傷が入ってしまっておりました・・・
全周囲カメラとソナーがるのになぜ?
「カメラは見ていなかったし、ソナーの警戒音は気にしなかった・・・」
とのことですが、普通気にするでしょう。
だって軽傷でよかったですが、交換となると100万はかかるのでは?
この部分もスポット磨きにて処置終了!
とはいえ、ここわ怖かった・・・
樹脂部分ですから膜厚計は役に立ちませんから、クリアー剥いちゃったら100万円ですからねー
心臓に悪いですわー
このお車でもこのオーナー様だから施工しましたが、
他の知らない方でしたら絶対手は出しません!
フロントフェインダー左右とも、此処は結構な本数の深い傷集中してありますねー
オーナー様もご存じで、
「GSで窓とか拭くときにオネイちゃんが体擦るから、服のチャックとかで傷入れているんだよねー」
と・・・
注意したほうが良いのでは?
結局4か所のスポット磨きを行いました・・・
そもそも自己管理をしていないのでしょうがないと言えばしょうがないのですが、やはりそうはいってもGSなどにはきちんと気を付けるように伝えたほうが良いでしょう!
私だったら、セルフのスタンドに行って運転手さんにやってもらいます。
尤も、このお車でセルフのスタンドというのはないかー
全体的にはほとんど傷は無いに近かったので、
平均研磨厚は3μです!
ただし、実はスポット磨きは後3か所行ってはいるのですが、
これは私個人の自己納得の為行っているのでサービスです。
このような高額車はよく、
「施工するの怖くない?」
と聞かれますが、逆にこのクラスの車のほうが施行自体は安心です!
というのは、軽自動車レベルのほうがどんなレベルの作りなのかが疑わしいですから、どこで何が起きるかわかりません・・・
然し、このレベルの車にそれは無いですから多少の無理も危険性はほとんどありません!
ただし、取り扱いにはくれぐれも注意は必要ですが。
Rolls-Royce ロールスロイス ゴースト EWB コーティング終了
とにかく程度の良いお車でしたが、さらに磨きを行い弊社オリジナルのコーティングを行うことで、特にR部分のいやらしい艶感は強まりました!
今回使用のコーティング剤は"エクセレントフィニッシュ・プレミアム"です!
弊社のコーティングラインナップでは撥水機能の中間グレードとなります。
これだけの高級車なのに、なぜもっと高いコーティングを施工しないのか?
と、いう疑問あるでしょうー
これにはいくつかの理由があります。
このような理由により、特に耐久性が高いものを選択する必要もないですし、傷の防御もそれほどリスク要因はありませんので高膜厚である必要もないという事です。
最大の理由は、このクラスの車は何年間も傷むのを待って再施工ではなく、定期的に最高の状態を保つために頻繁に施工する可能性が高いですので、
艶に妖艶さがあったほうが良い!
と、いう事でしょう。
20年ぶりに接したロールスロイスですが、確かに新車ですから"すごい"と感じる部分もありましたが、オーナー様とも意見が合ったのは、
「やはり昔のシルバー・シャドウなんかのほうがロールスロイスらしいね!」
と、いうところ。
然し、ここまで行くと維持費は想像を絶しますし、このゴーストは趣味車ではなく都内での足車ですから、数十年前の車でいつ止まるのかがわからない?
修理期間もどれだけかかるかわからない?
では困りますので、現実的にはゴーストになるのですねー
今回はこのようなレアなお車を施工させて頂きありがとうございました。
ついでとはいえ、都内よりわざわざお越しいただきありがたい限りです。
奥様、息子様にもよろしくお伝えください。
次はベントレー・ミュルザンヌにしましょうよ。
会員クラス:正会員登録
車両クラス:クラスX-6
施工コース:
コーティングコース=エクセレントフィニッシュ・プレミアム ガラスコーティング
磨きコース=01スタンダード磨きコース(程度良好新車向け・軽度の傷取り鏡面仕上げ)
オプション施工1=部分傷取り磨き(スポット磨き×4か所)
オプション施工2=スプラッシュビュウー・ウインドウフッ素コーティング(フロント基本セット×ライトポリッシュ・リア基本セット+サンルーフ×鱗落し)
施工料金:338.893円税込(準会員割引-15%・輸入車割増磨き+10%・濃色車割増磨きランク2+15% 適応・高速道路使用分値引き済み)
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