2014年11月23日公開|AMG
関東よりお越しの会員様ですが、せっかく昨年施工したばかりのお車をこちらの、メルセデスベンツ C63AMG 507エディションにお乗換えになられてのご入庫です!
以前のお車もアウディのS4でしたので、スーパーカーキラー的お車でしたが、今回のこのお車はそれよりも数段有りえないレベルのお車です!
名前の507エディションとは、C63AMGのヤナセ販売の最終限定車で507PSであることを示しています。
V8 6.300ccのNAでこのパワーは恐ろしい限りです・・・
この車体でこれだけの大エンジンがフロントにありますから、フロントヘビーであることは否めませんので、ワインディングなどはあまり得意とするお車ではありませんが、
逆に腕さえあれば簡単にテールスライドすることはできますので、結構楽しめます!
海外の評論家によると、BMWのM3などと比較した場合すべてにおいて、
こちらの507エディションのほうが高評価なようです。
但しM3にはGT3がありますが、ベンツにもブラックエディションという更に化け物が存在しています・・・
流石にGT3はレーシングカーですので、サーキットではかないませんが、
公道ではどのシチュエーションではブラックシリーズのほうが上という評価らしい!
ベンツという車の存在意義上、サーキットでのバカ速さを追求する必要はないでしょうねー
通常の63のエンジンに、
50PSのパワーアップキットを組み込んだものが507エディションとなるそうですが、
始動時の爆発的排気音は迫力満点です!
但し、イタリアンV8のような高音ではなく、野太い低音ですが、かといってアメリカンのようなドロドロした音ではなく、私からするとナスカーに似たような音に感じられます。
ベンツでフェラーリのような金属音も変ですから、イメージ的はマッチしているでしょう!
但し、これだけのハイチューニングカーでエンジンルーム一杯に押し込められていますから、新車時は問題ないでしょうが、数年たってくると各部が熱で大分やられてきたときには、
恐ろしい修理代が掛かるでしょう・・・
其処がAMGの恐ろしさ?
流石これだけのパワーを引き出していると、Cクラスの車体と言えども必要な制動力を引き出すには、フロント6ポッド・リア4ポッドのブレンボキャリパーが必要なんですねー
比較的おとなしめのスタイルに、この馬鹿でかいブレーキとマッドブラックのホイルの組み合わせは、隠れワル的な?
しかもこのお車、珍しいブルーのキャリパーです!
弊社の入庫車両では初めてのお色でしょう。
意外とマッチしています。
レットキャリパーでないのは救いですねー
メーター内部にもちゃんとAMGの文字が浮かび上がります!
AMGがメルセデスベンツ社に統合されてから数モデルは、AMGという特別モデルというよりは、各車種の最高ランク程度の落ち着いた作りというか特別感にかけましたが、最近のモデルでは、このようにAMGは別物的押し出しが演出されてきていますので、オーナーにとってはうれしい事でしょう!
シートに関しても同じで、
完全にシート形状からして一般モデルとは異なります。
セダンでここまでのバケット感が必要なの?
と思えるくらいの、ホールド性です!
然し実際乗り込んでみると、窮屈感はなくそれでいてしっかりサポートはされている感じの流石はAMGのシートと言った感じです。
しかもシートはセミアニリンレザーを使用しているため、ドイツ車特有のごつごつしたシートの表面間もなく、高級ソファーのようです!
間もなく妻の車の買い替えの時期が近付いてきていますが、一般モデルとのこのような差を見てしまうと、
「やっぱりベンツ買うなら、AMGだよなー」
と思ってしまいますが、悲しいかな先立つものがありません・・・
ここら辺はパッと見はAMG的押し出し感の強さはさほど感じさせられませんが、ピアノブラックのトリムと、シフトブーツのアルカンターラとのマッチングは好きなセンスです。
特にシフトレバーを包む滑りにくい素材の手触り感は最高です!
多分オプションでカーボン内装トリムなども用意されているのでしょうが、BMWのMやアウディのRSとは本来の立ち位置が違いますので、車の方向性を考えると、
カーボンなどの選択はあまりセンスがいいとは言えないでしょう。
ドレスアップは個人の趣味であるのは当然ですが、他人が見たときに違和感を感じ無い様な選択をする方が、個人趣味を優先しすぎるよりはオーナーの人柄感に好印象を与えるのでは?
よくゴルフに行かれるとのことで、その際キャディーさんにゴルフバックを積みおろしして頂く際に、
「傷つけないように気を付けてお願いします!」
等と注意をしたり、バックを擦らないかとガン見したりしないで良い様に、
“エクスペル・ペイントプロテクションフィルム”でリアバンパー上部をガードします!
通常はトランクリッド開口幅での施工ですが、今回はより目立たないようにとのことで、プレスラインに沿いリアフェインダー隣接部分まで延長しての施工です。
型取りで2m近い範囲の施工ですので結構難しい・・・
しかも、使用過程車でテールレンズやトランクウエザーストリップのリブにごみがありますので、いくら事前洗車を丁寧にしても、貼り込みの際のアルコールやゲルにごみが混入してきてしまいます・・・
3回貼り直しをしてみましたが、それでも5~6か所はごみが入ってしまいました。
あくまで傷入り防止のガードフィルムという事で、この程度はご勘弁ください。
登録から9か月経過車としては微妙な程度です。
登録時、ヤナセのコーティングが施工してあることを加味すると、ちょっと傷は多いような気がします・・・
もっとも都会ではどうしても洗車は業者任せとなり人任せですから、注意しようがないのも事実ですね。
なかなかこのような高級車特に黒となると、
洗車機に入れることははばかれますが、
このようなある程度の深さのある傷が入るのを防ぐには、
逆に意を決して洗車機にしたほうが良いのですが。
今回の磨きのコース選択は車両程度的には微妙なラインです・・・
多少の傷残りを許容できるのであれば01スタンダード磨きコース。
太陽光や照明などに照らされても、傷が気にならないようにするには、
02スタンダード磨きコース。
ですが、オーナー様、
「あまり傷にはこだわら無い、ある程度きれいになって艶が出ればいいよ!」
とのことでしたので、車両クラスもXクラスでただでさえ高額施工となってしまうため、
”01スタンダード磨きコース”での施工となりました!
確かにかけるだけお金をかけて、完璧な仕上がりをしたとしても、ほとんどの方でその状態を完全にキープできる方は正直私の見てきた中では0.1%もいないでしょう・・・
私のように、車を動かすのは年に数回、しかも傷が付いたらいつでもただで直せるとゆうような条件でない限り、ただお金を消費していくだけですから。
それでも、懲りずにあくなき追求?
をしてしまう方も、弊社のお客様の中には少数いられますが、
これもこれで我慢することの方がストレスになってしまうのであれば、しょうがないですよねー
そのような方々がいらっしゃるおかげで、弊社のような変な店が存続できるのも事実ですから!
捨てる神あれば拾う神あり、破れ鍋に綴蓋
一寸一致しないか・・・
トップに比べ、まだ側面のほうが傷量的には少ないですが、長く深い線傷は多いようです・・・
都会ですと、駐車スペースも狭く人のすり抜け等で、服や手荷物等で付く擦り傷もあるでしょう?
オーナー様の場合、ご実家の道路からのエントランスが狭く植木が張り出し気味とのことで、
「どうやらそこで木の枝に擦っているのでは?」
と、仰っていました。
このお車に限らずダメージとして多いのは、トランク下部リアバンパー上部の部分の線傷です。
荷物の出し入れで付けてしまう縦方向の線傷は、“スポット磨き”でも行わない限り除去はできない場合がほとんどですが、↑↑→の写真で判るように横方向の傷が目立つお車が非常に多い・・・
このような傷は、間違いなく洗車で付けているものですが、
このような傷は洗車機であればまず入りません!
このような部分は、雨天走行時などに飛沫の埃やごみを含んだものが付着しているケースが多いので、洗い擦る前に相当きちんとトランクリブにたまっている汚れも含めて、
事前に洗い流しをしてから洗車を行わないと、このように傷をたくさん入れてしまいます・・・
バンパーなどPP素材の部分は、
スチール素材のボディと違い摩擦熱で高熱になるようなハードな磨きは困難ですので、
結果傷は取れにくいですのでボデイ以上に傷入れには注意が必要です!
かなり頑張って磨いてみましたが、側面の木の枝で擦った?
と、仰っていた傷は取れません・・・
磨いていての感じですと、木の枝にしては傷幅が狭く且つ深すぎる?
恐らくそれ以外の、
もっと固い鋭利なエッジを持つもので擦られたと思います。
リアバンパー特に傷の多かった上部も、
横方向の傷は完全に取れましたが、縦方向の荷物の出し入れで付いたと思われる傷は、
深すぎて残りました・・・
然し、この傷も磨き後にペイントプロテクションフィルムを貼ることで、クリアー効果により見えなくなります!
とはいえ、
フィルムを貼ることを前提に磨き自体は手を抜いているというようなことはありませんから。
新車時のヤナセでのコーティング施工の際に入れたと思われる、シングルポリッシャー傷も磨き進行中には隠していた線傷を除去していくとあらわれてきましたが、
さほど深い回転傷ではなかったので問題なく除去はできましたが、
手洗いで付いたと思われる深い線傷は多少残りました・・・
シングルポリッシャーで付く回転傷は、その後洗車等で付く線傷が付くことで、丸い傷が分断されることで傷が密集しているような目の錯覚を起こします。
又、古い傷の上に新しい傷ができると、傷自体のダメージの深さとは別に、
新しい傷のほうが目立つようになります。
これは古い傷は使用過程において、傷の中に不純物が入り込むことで、傷の反射が弱まりますので、新しい傷のようにはっきりした反射をしなくなるためです。
このように傷が重複している所を磨くと、磨きにより傷の中の不純物が掻き出されることと、表面のスクラッチ傷が磨きとられることで、
このお車のように最初につけられていたポリッシャー傷が露出してきます・・・
では、なぜ新車時にはそのシングルポリッシャー傷に気がつかないの?
と、いう疑問が生まれてきますが、これ上記した理由と全く同じ理由で見えずらくされています。
シングルポリッシャーの傷の上を、ギヤやダブルアクションポリッシャーをかけることで、新たにランダムな目に見えない傷で覆うことにより、傷が視覚的には散らされ見えなくなるのです!
この手法は多くの磨きのプロが取る方法ですが、手抜きとまでは言い切れませんが、塗装表面の根本的滑面性は生まれてきませんので、艶もいまいち・・・
且つコーティングが滑面製膜しませんので、
使用するコーティングが本来持つ防汚性能も減少してしまいます・・・
弊社の磨き方は、シングルポリッシャーで付いた目に見える回転傷は、
シングルポリッシャーで磨きとることを基本としておりますので、視覚的に確認可能な
シングルポリッシャー傷を散らして見えなくする磨き方はいたしません!
ギア・ダブルアクションポリッシャーはあくまでオーロラ傷の発生を防ぐ目的のみで使用しています。
その為、初期の磨きに時間がかかってしまうため、全体磨き時間が多くかかり、
結果施工料がお高くなってしまいますことをご理解ください!
今回も、01スタンダード磨きコースとしては、規定研磨膜厚一杯の4μの研磨です!
但し、常連様ですので、
残りそうな傷の部分はこれを超えた研磨でできる限りのサービス磨きは当然させて頂いております。
かといって、すべての深い傷にこれを行っていては、
弊社磨きコースの意味が無くなってしまいますので、できる限りというレベルでご勘弁を!
Mercedes-Benz メルセデスベンツ C63AMG
507エディション(204507) コーティング終了
はっきり言って、このタイミングで再施工はもったいない・・・
今年の2月にヤナセにおいてコーティング施工されていますので、
当然まだコーティングもバリバリ効いていますし、傷はついてきてしまってはおりますが、みっともないレベルまでではありません!
では、それでも再施工をなぜ?
ですが、その効果の残っているコーティング自体お気に召さないそうです・・・
恐らく施行されているコーティングは、
ヤナセオリジナルの親水性ガラス繊維素タイプのミラーフィニッシュと思われますが、弱撥水→親水に水量に従い切り替わるタイプです。
確かにコーティングとしては良いコーティングではありますが、機能が気に入られないとなると、ドライの状態での意匠性に問題はなくとも、
ウエット状態洗車時や雨天などには不満感が出てしまわれるでしょう・・・
そこで、以前の施工されている弊社の
“エクセレントフィニッシュ・プレミアム ハイブリッド”の施工をご希望された訳です!
恐らく、施工後の印象がよく、
使用過程においても撥水のリスクはあまりお感じになられなかったのでしょう。
が・・・
基本的には、
弊社のスタンスとしては濃色車への撥水コーティングはお勧めいたしておりませんが、こちらのオーナー様のように車庫保管車であり、
且つハイブリッド(水染み防御タイプ)を御選択であれば、
「意匠性的に水玉弾きしないと濡れたときに気持ち良くないんだよねー」
という、ご希望にもあえて親水等をお勧めはいたしません。
とはいえ、親水や疎水・滑水に比べ、
いくらハイブリッドクラスとはいえ水染みが付きやすいのは事実ですので、
それなりの覚悟と管理に気を付けて頂く必要はございます・・・
このお車、ある意味真の“羊の皮をかぶった狼”と言えるでしょう!
GC110GT-Rに端を発したこの表現も、今のGT-Rにはとても当てはまりませんが、このベンツですと普通の人が見る限りCベンツのセダンでしかありません。
確かに部分的見ていけば化け物であることは判りますが、AMGにしてはさほど仰々しさもありませんから、品もあります!
然し、いったんアクセル全開にすればこの車を追い続けることができる車は、ほんの一部どころか、いわゆるスーパーカーのカテゴリーの車位でしょう。
さりげない高性能とリッチ感を合わせ持った、現代の真の羊の皮をかぶった狼と言えるでしょう!
最近のAMGも御多聞にもれず、ダウンサイジング過給器依存となり、
正直つまらない車たちの一部に仲間入りしていく中で、
大排気量NAを維持している“孤高の存在”としての価値は大きいでしょう!
しばらくすれば新型CクラスAMGも発売となるでしょうが、
もうこのような無駄の塊のようなぜいたくな車ではなくなることは確実です・・・
そういう意味においても、このお車は価値あるお車だと思います。
今回は、お預かり期間中にお身内に御不幸が起こられてしまい、心より哀悼の念を表します。
その大変な折に、ご希望の仕上がりへの前倒しに対応させて頂くことが出来ず、長らくお預かりさせて頂くことになり、申し訳ございませんでした。
私も数年前に体験いたしましたが、判り切っていることであり必ず訪れることとはいえ、空虚感は否めません。
然し、それを機会に人生観も大分変化したことは、乗り越えることを経験してこそ会得できる部分でもありました。
私ごときが言える事ではありませんが、お気をお落しにならずその分もお互い頑張って生きていきましょう。
会員クラス:正会員
車両クラス:クラスX-1
施工コース:
コーティングコース=エクセレントフィニッシュ・プレミアム ハイブリッド ガラスコーティング
磨きコース=01スタンダード磨きコース(程度良好新車向け・軽度の傷取り鏡面仕上げ)
オプション施工1=レジントップコート・コクーンSTD
オプション施工2=エクスペル・ペイントプロテクションフィルム(トランクリッド下リアバンパー上部)
施工料金:229.715円税込(準会員割引-15%・輸入車割増磨き+10%・濃色車割増磨きランク1+20% 適応・高速代キャッシュバック別途)
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