2015年07月18日公開|トヨタ
3年ほど前に施工いただいておりますお客様ですが、
今回は代行会社をご利用の際駐車しようとしていて後部をぶつけられてしまいました・・・
当然代行会社の賠償となりますが、代行会社の組合により運営されている共済組合なるものがあることを今回初めて知りました。
ただしこの保険結構怖い・・・
と感じたのは、対物が2.000万円が上限となっていますので、これを超える損害を被った場合代行会社からの実費賠償となりますが、
そもそもほとんどの代行会社は零細企業ですので支払い能力はまずないでしょう。
こうなってしまえば、裁判しようがどう判決が出ようが、
“無い袖は振れない”のは事実ですので、現実的には泣き寝入りとなってしまいます・・・
この様な時に生きてくるのが、ご自身加入の車両保険。
相手の支払い能力云々とは関係なく、
自身の保険会社から仮払いという形で支払いを受けることが可能です!
現在道路走行車両には、任意保険未加入の車の比率は非常に高いそうです。
更には、無車検車輛も激増しているそうです・・・
この様なドライバーは、
若年のニート系や失業者もしくは生活保護受給者と老齢者と外国人に多いそうですが、極端な話約3割位の車が賠償支払い能力が無い可能性があるそうです。
事故はいくら御自身が気を付けていても、
一方的に巻き込まれる場合があります・・・
この様な時、加害者が上記したような賠償力を持たない場合に備えて、
自身での対策として車両保険加入は必要な時代です!
今回は、板金塗装修理を含めての御依頼でしたので、共済組合との交渉を弊社が行いますが、恐らく結構揉めるであろう予測はしていましたが、
交渉開始時には予想通りかなり強気というか出し渋りました・・・
「バンパー交換なら代車は半日分ですね。」
とか、
「バンパー以外の隣接パネルへの施工は認めません。」
とか。
この様な対応は予想範疇でしたので、こちらも理論武装と開き直り(修理依頼拒否)などを駆使することで、
修理開始時までにはお客様&弊社の要求内容をすべて認めていただけました!
初めて対応する保険では、必ず通る道です。
今回の破損個所はリアバンパーでしたが、当然バンパーは交換です!
弊社の施工範囲は、板金塗装修理個所とその隣接パネルとなりますので、リアバンパー・左右クォーター・リアハッチの合計4パネルとなります。
が、なぜ隣接パネルの施工が必要か?
と言いますと、当初施行より使用されている以上、
修理対象箇所以外のパネルはそれなりに意匠性低下してしまっています・・・
つまり、修理個所と隣接パネルとの意匠性差が非常に大きくなり、みっともない。
また弊社施工車両では、以前の施工で肌調整をしていますので、
新たな塗装とどうしても肌感があってきません・・・
完全に同じにはできない為、隣接パネルを使い、意匠性と肌感をできる限りグラデーション(暈し)して、全体意匠性のちぐはぐさを少しでも解消するためです!
新車時に施工させて頂いてから3年の間に、
大幅なカスタマイズがなされています!
ドレスアップパーツは限りなくつけられていますし、
ハイブリッドでありながら足回りや排気系まで手が入っているのにはビックリです。
但し、ここまでやられるのであれば、
車種選択を変えたほうが良いのでは?
とは、思ってしまうのですが・・・
写真で見てわかるように、ボンネットにはブラックカーボン調フィルムが貼り込まれていますが、驚くことにこれDIYだそうです!
プロ顔負けのクオリティーです。
この位技術があればDIYも良いですが、
この後それでも起こりうるDIYのリスクも一寸出てきます・・・
施行前には当然洗車をしての施工開始ですが、施行より3か月以上が経過している場合には、
隣接パネルの施工パネルは鉄粉クリーニングを行います!
一度オーナー様がDIYにてトラップ粘土で鉄粉クリーニングなされているそうですが、クリーナーをかけてみればこの様にまだ附着していた鉄粉が、
インターロッキング上に大量の紫色の染みを作り出します・・・
此れ、結構なレベルです。
しかも、トラップ粘土は粘土自体が傷も入れますし、
当然絡め取った鉄粉も引きずるために多量の傷を入れてしまいます・・・
更には、コーティングも剥ぎ取って行ってしまいますので、再コーティング必要も出てきてしまいます。
結果そうなってしまったのでしょう、
オーナー様は市販のコーティング剤を購入されDIYにて施工されたそうですが、結果其れが大きな問題を作り出していました・・・
この様に、
DIYコーティングの、
塗り込み斑もしくは拭き上げ斑がいたるところにできてしまっています・・・
←の写真は磨き終了後ですが、今回保険により認められている程度の磨きでは除去できません。
塗装表面の問題であれば、
ペーパーを掛けるまでの磨きを行えば除去できますが、
コーティングによっては塗装浸透での斑になっている場合もありますので、そのような場合は磨きでの回復は無理ですので、直すとなると再塗装となってしまいます・・・
このお車の場合、このような個所はほとんどすべてのパネルに見られますので、
完全回復を望まれる場合は、最悪全塗装の必要が出てきてしまうかも?
この様な、DIYでの鉄粉除去や水染み取りやコーティングなどは確かに商品購入以外は自身の手間だけですので安くは上がります!
但し、車の状態としては何らかのダメージを確実に入れて車を傷めています・・・
たかかWAX程度でも、艶にごまかされて気が付かない場合が多いでしょうが、
確実に傷を増やす行為を行っているに他なりません。
DIYでの施工は、このようなリスクがあることを覚悟の上で行ってください。
相当傷んでいます・・・
前記した鉄粉付着は言うに及ばず、凄い傷の量と水染みです。
この傷の多くは、DIYで行ったトラップ粘土でしょう・・・
オーナー様も、そこは自覚なされているようでした。
前記したような隣接パネルの施工必要性、これをご覧になられればお判りになりますよねー
この状態のパネルに、いきなり新品のバンパー隣接していたら明らかに意匠性変でしょう?
ですが、言っていることが矛盾してきますが、
新品バンパーであってもこの様に傷が入っています・・・
これ色つきバンパーですので、メーカーライン塗装が行われた状態で板金塗装工場に入荷して取り付けをしているだけですが、
当たり前にこの程度の傷が入っていても正常部品として扱われます。
つまり、この程度ではクレーム交換は認めてくれません・・・
恐らく、ディーラーや修理工場や板金塗装工場では、このような色つきパーツの交換をした際、この状態を修復することはしないでしょう・・・
というのは、保険会社であってもオーナー直であっても、
支払請求できるのはパーツ代と交換工賃だけで、
この状態を修繕するための磨き料金は請求できませんから、ただでさえ利益率の低いこの様な修理では、持ち出しになる更なる手間はかけません・・・
多くの場合、文句を言ってみても、
「メーカーとしてこのクオリティーを基準としてしまっているので、
これ以上は無理です・・・」
「仮に、パーツの取り直しをしてみたとしても、
今のパーツより程度が良い保証はありません。」
等の返答で終わりでしょうねー
此処は隣接パネルである左クオーターのCピラーの頂点部分ですが、洗車の際に体を預けていたのでしょう、服によると思われる傷が縦方向に20本ほど並んでいます・・・
オーナー様からはオフレコでという事でしたが、
車検の際にディーラーの洗車で付けられたそうですが、会社名は伏せておきます。
隣接パネルの磨きは、あくまで再塗装部分とのグラデーションを目的としていますので、
既存傷を取り切ることは目的ではありませんので、
磨きコースは“01スタンダード・ソフト磨きコース”と決まっています!
結構しっかりした傷でしたので、多少は残るかな?
と思いましたが、意外や完全に磨き取ることができました!
上記したように、ディーラーで入れられた傷ですので、オーナー様はその際、
「そちらで磨いて直してよ!」
と言われたそうですが、
「弊社の技術では無理です・・・」
と言って断られたそうですが、この程度の軽度の磨きで落ちるものが無理と言って逃げてしまうのは、いかにディーラーの技術力が無いのかを宣伝しているようなものですねー
せめて、
「できる限りのことはしてみます!」
位の前向きさがなければ、技術向上は無理でしょうねー
新品バンパー部分はの磨きは、新車時に行っている磨きが対象となる磨きとなりますので、“02スタンダード・ハード磨きコース”となります!
これは、新車時に行った磨きによりクリアーの肌調整をしているため、
新品バンパーの肌を既存パネルに合わせていくために必要な磨きとなります。
今回新品バンパーの傷が多かったですが、
この磨きコースのおかげできれいに除去されました!
但し、既存パネルの磨きは前記したようにグラデーションを目的としているために、
傷を取り切るまでの研磨力はありませんので、
このように一部深い傷は残ってしまいます・・・
又、グラデーションを目的としているため、同一パネル内でも再塗装隣接部分は磨きは強く、離れるに従い磨きをわざと弱くしています。
これにより、少しでも再塗装部分と、何もされない既存パネルとの意匠性変化を自然になるようにして、
修理個所だけが浮いた感じにならないよう全体意匠性のバランスを取ります!
TOYOTA トヨタ プリウスa 1.8Gツーリングセレクション
スカイライトパッケージ(ZVW40W)コーティング補修終了
今回前記したように保険会社とは、
当初大分施工範囲や方法などで揉めましたが、途中から何があったのか?
一気に方向転換され、
「提示した内容で構いません!」
となったおかげで、満足できる施工方法を行うことが可能となり、
一安心!!!
更には、認めてはいただけましたが、
「施工料金の交渉には応じてくれる?」
という条件がありましたが、実際施工終了してみると、
見積もり通りでOKとのこと!
一寸気味悪いですねー
御引き取り見えられたオーナー様は、修理完成車両をご覧になり、
大変満足いただけたご様子!
「こんなに綺麗に直るものなのですねー」
「後ろから見る限り、完全な新車ですね!」
と、かなり感動して頂けたようでしたが、
やはり既存パネルの部分の意匠性低下はかなり激しいので、
今回手を付けていない部分の再施工を検討されるそうです。
確かに、このタイミングで行えば、
残った未施工部分のみで済みますのでご負担は減ります!
但し、此処から何か月もあけてしまえば、
また今回施工部分との意匠性の差がついてしまいますので、
決断されるなら早い方が良いでしょう。
今回板金塗装工場に入庫されたついでにとのことで、リアバンパーのモデリスタエアロのもともと黒の樹脂だった部分を、
「ホイルと同じマッドシルバーで塗ってほしい!」
とのことで、自費にてカスタマイズ塗装をされました。
正直施行前には、
「それってどうなんだろう?」
と思っていましたが、いやいや似合いますねー
この様に修理と一緒にご依頼いただけましたので、
板金塗装工場も約2割引きで塗装してくれました!
ご協力ありがとうございました。
この度のご入庫、ありがとうございました。
当初保険会社の態度に結構心配はいたしましたが、お客様にご迷惑を掛けずに円満修理となりましたので、一安心いたしました。
残った部分の再施工をなされるようでしたら、あまり日にちを置かずに決断をなされたほうが良いかと思います。
ご検討ください。
車両クラス:クラスL
施工コース:
コーティングコース=マーベラスフィニッシュ・スノーガード ガラスコーティング(リアバンパー・リアハッチ・左右クオーター)
磨きコース1=02スタンダード・ハード磨きコース(新車時施工磨きの肌調整に合わせる磨き×リアバンパー)
磨きコース2=01スタンダード・ソフト磨きコース(隣接既存パネルのグラデーション磨き×リアハッチ・左右クォーター)
外注施工1=リアバンパー交換(色つき)
外注施工2=リアバンパーモデリスタエアロ(一部マッドシルバー塗装×自費)
施工料金:25.704円税込(自費塗装分・保険会社支払い分非公開)
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