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車磨き研究所の新着情報

事故における過剰賠償要求・・・

2015年03月13日|マイスターブログ

昨年年末に、弊社常連様しかもツーリングクラブメンバーの方が、

追突事故において被害者となられました・・・

このこと自体は不幸なことで、当然追突ですからオーナー様には過失責任は有られませんので、

当然100-0事故です。

 

板金修理から弊社にご依頼いただき、修理完了となり引き渡しもスムーズに終了いたしましたが、待てど暮らせど保険会社からの修理金の入金がありません・・・

100万を軽く超過する未払い金ですので、

弊社のような零細貧乏企業にとっては死活問題です。

 

支払いが行われない理由を保険会社に確認をしてみると、

引き渡し後に次から次へのその他賠償要求がされてしまっていて、

物損示談が成立しないとか・・・

「じゃあ、修理金だけ仮払い申請起こしてよ!」

とお願いすると、

「検討いたします!」

とのことで、仮払頂ける直前まで行きましたが、

「被害者からの、要求内容が極端なため、

示談成立前の仮払いは今後裁判発展の可能性も出てきていますのでできませんので、

被害者の方から直接修理金を支払ってもらってください。」

とのこと。

 

 

過剰請求と判断された一番の理由は、事故発生から修理完了まで約3か月近くありながら、その間修理に関して以外の今回要求されていることに関しての相談は、一切なかったことに不信感を抱かれた・・・

つまり、火事場泥棒的なごね得を狙っている!

と、判断されてしまいました・・・

 

請求内容は、

  • 車内の工具箱破損。
  • リアフロアパネル交換により事故車扱いになることによる、簿価減差額の支払い。
  • 足回りアライメントの狂い。

とお聞きしていますが、これすべて第三者的に見て不当要求であることは否めません・・・

 

工具箱の破損:

これは、弊社入庫時もしくはそれ前にその破損を保険会社に伝え、アジャスター立会い時に確認して頂いていれば、100%OKでしたが、これだけ時間経過してしまっての申立ては、

「本当に事故発生時の破損か?の証拠能力が皆無・・・」

「しかも事故衝突衝撃では、ちょっと考えずらい・・・」

簡単に言えば、事故による破損でないと捉える方が常識的判断

 

事故車扱いによる簿価減差額:

まずは、車両が20年以上前の車両であり、且つ板金履歴は数え切れず、車両状態から判断するとすでに事故車両の可能性のほうが高く、最悪横転しているかも?

というくらい車両の程度は悪い

つまり、今回のフロアパネル交換以前に本来のこのお車には、

平均的簿価自体の価値がない

本来厳密な捉え方をしていれば、今回の修理費自体が個体簿価を超過しているので、

全損扱いでの処理とされても仕方がない。

にもかかわず、事故破損とは間接的にしか関係していない、

エンブレムやマフラーまで新品認定交換している保険会社側の誠意的対応に対して、

「これならさらに難癖をつければ金取れるのでは!」

的行為と、疑われてしまう。

実際、新車(登録より数か月以内)での裁判による認定実績ですら、

簿価減賠償は数%しか認められておりません

 

アライメントの狂い:

これも、事故破損状況からして、

アライメントが狂ってしまうような破損ダメージは受けていないというのが、破損状況確認をしたアジャスターと修理を行った板金修理工場の意見が一致しています。

しかも、修理期間中に車検が切れていますので、板金塗装工場にて車検を取って頂いておりますが、その際のサイドスリップ検査にて再調整の指摘は出ていませんから、仮に多少の誤差があったとしても許容範囲内と考えられます。

この誤差を、仮に正確なアライメントテスターで数値化したとしても、

許容誤差範囲内での誤差は事故とは関係なく使用状態において生まれた誤差ではないという証拠がないという事になります。

 

 

これらの請求は、保険会社的には事故修理入庫時に申請してくれていれば、

何らかの方法で支払いを検討することも可能ではあったかもしれませんが、

修理終了後の追加要求として次から次と出てくるとなると、

被害者側の人格を疑い始めます・・・

当初より、保険会社側は精一杯の賠償修理をしようと、

修理内容に対して過剰修理を認めている善意に付け込もうとしていると取られても、これは当然のとらえ方となり、結果保険会社側の対応態度は一転して裁判による解決という方向に向きなおします。

 

そうなると、厳密な簿価より数十万円を超えて修理している部分については、

修理認定を取消全損金額までの賠償として、

実際修理金と現実簿価とに生まれる差額は、

被害者自己負担の要求をされるところまで徹底抗戦の姿勢に変わってしまいます。

 

 

今回、このようなヤクザ的要求になった背景の一つが、ご自身が加入されている保険に、

弁護士費用特約があります!

つまりごねるだけごねて裁判まで持って行ったところで、その費用負担は自身に無く、その上で追加賠償金だけは手に入れることができる。

という、発想です。

 

此処に大きな考え違いがあります・・・

あくまでこのような弁護士費用特約は、賠償要求内容に正当性があり、

相手方保険会社が不誠意な対応しかしていない場合に限られます。

つまり、どんな無謀な争いでも弁護士費用を出すという訳ではありません

 

実際、加入されている保険会社に事例相談してみたところ、

「この内容では、保険会社としても正当要求とは思えませんし、普通に考えればこの内容では弁護士自体が倫理的に請け負わないですから、

弁護士費用特約は対象外です!」

とのこと。

 

 

結論としては、いくら100-0事故で過失がないからと言って、過剰要求が通り、

火事場泥棒的漁夫の利は得られないとうことです・・・

今回は、たまたま自身が被害者でしたが、

車を運転している以上はいつ自身が加害者側に代わるかは分かりません。

立場を利用して利を取ろうとするより、加害者側の立場も考慮することは、車社会の中ではある意味ドライバーとしての責任でもあります。

 

 

以前弊社ツーリング中に仲間内での100-0事故で、保険使用をせず完全修理賠償がなされず、うやむやになってしまったというあるまじき展開もありましたが、今回のようなパターンも逆に被害者の立場を利用して過剰賠償を求めかねないという怖さを感じてしまいます・・・

どちらのパターンも、正直人間性を疑われてしまう考え方行為ですので、個人差はあるでしょうが、ご自身の社会的信用性が失われることとなります。

 

事故の際は、加害者であっても、被害者であっても、

常識的判断を逸脱する行為は止めましょう

ましてや、外野の無責任な空気に踊らされるのは最悪です・・・

素人判断ではなく、不安でしたらまず法律相談に行って、常識的判断を仰ぎましょう!

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