2010年06月06日公開|アルファロメオ
このお車の車名の最後のTSの意味がお解りになられますか?
アルファロメオ伝統のツインスパークの意味です。
ツインスパークとは1気筒につき2本のプラグがついていることです、アルファロメオを代表するスポーツエンジンです。
このお車は156最後のツインスパークエンジンを搭載した型です。
車磨き研究所にも代車としてこのお車と同じ156がございますが、代車としてご利用いただいた方のほとんどが、
「面白い車だねー、思わず峠に走りに言ってきたよ!」
などとおっしゃります。
決して早い車ではないですが、スポーツカーとしての味がありとても楽しい車です。
大分価格もこなれていますから遊び車にいかがですか?
これがその今は無きツインスパークエンジンです。
オーナー様はかなりこのお車に入れ込みがおありのようで、かなり物のいいタワーバーが装着されています、アーシングもバッチリです。
更にチタンマフラーもおごられています、お帰りになられるときも小気味いい乾いたエキゾーストノイズを響かせながらお帰りになられました。
ブレーキローターもスリッドローターに変更されています。
サスペンションもアイバッハのサスペンションが装着されています。
フロントシート2脚ともレカロシートです。
ここまでやれば峠はかなり楽しそうです。
アルファロメオというと多くの方は、
「よく壊れるんでしょう?」
とおっしゃりますが、車は壊れなければいい車なのでしょうか?
逆に壊れるからよくない車なのでしょうか?
正直私も食わず嫌いでアルファロメオに対してはあまり好意的印象はありませんでしたが、たまたま縁で車磨き研究所の代車として156がお嫁に来て、
「さてさてどんなもんかな?」
という感じでちょっと峠に試走に出かけてみると、これがかなり楽しいからビックリしました。
ほんとに早くは全然ないのですが、フィーリングがとてもいい感じです、アナログとデジタルの狭間の時代の車ですが、車を操っている感が有りいつの間にか走りに没頭していました。
車の良し悪しは使用目的で異なり、ボビーとして楽しむ車は多少わがままで壊れるくらいがちょうどいいのではないでしょうか!
洗車鉄粉取りが終わるとまずはマスキングです。
こんな感じでバフが当たり傷をつけたりコンパウンドが入り込まないようにしっかりマスキングを行います。
作業工程の中で1番嫌いな作業です。
見た目よりなかなか細かい作業で根気が必要です!
1年前に磨きだけ他店で施工されたそうですが、もうすでにかなりヘビーに傷が入ってしまっていました。
傷だけならばまだそれほどのダメージではなかったのですが、特にルーフについてはかなり深いイオンデポジットが出来てしまっていました。
ご予約いただいた際には03コース3000#のペーパーの磨きを予定しておりましたが、現車を確認して04コース1000#のペーパーをトップパネル3枚だけは施工し、それ以外の部分は02コース(スポンジバフのみ)に変更しました。
トップの部分は20ミクロン以上塗装にクレーターが出来ているようでしたので、完全にイオンデポジットを取り去ることは出来ませんが、エッジを丸めることで目立たなくする手法にすることとしました。
トップ以外は02コースとしましたが、側面もかなりの傷です。
どこまで02コースで回復できるかは見てのお楽しみです。
磨き前膜厚は111μでした。
過去に2回ほど磨きやコーティングを施工されているそうです、結構膜厚は厳しそうです。
02コースや02プラスコースであれば何の問題もない膜厚ですが、今回はイオンデポジットの処理の為10μを限度として研磨を進める為少々怖い膜厚です。
がつんと100#2000#3000#と3工程のペーパーを当てた直後の状態です。
ボンネットに関してはこれでほとんどイオンデポジットの処理は出来ました。
問題はルーフです。
各ペーパー工程で2μずつ研磨を行いましたので、この状態で6ミクロンの研磨となります。
ウールバフで2μ、スポンジバフ3工程で1ミクロンの研磨でした。
合計研磨厚は9μで予定研磨厚の範囲で施工できました。
やはりルーフに関してはこれが研磨限界で、予想値ですがクリアーは後10μくらいと思われます。
中間工程のウールバフ施工後のルーフの状態です。
大分イオンデポジットは判りづらくなっています。
施工前に比べれば明らかにイオンデポジットは少なくなり目立たなくなりました。
残念ながら塗装の状態から言ってこれが限界でした。
ボンネット部分の磨き前と磨き後です。
04コース(超鏡面磨き)ですから肌感まで変わってあれだけあった傷はきれいに取り去られています。
水銀灯の輪郭ラインの違いが磨きあがりの仕上りを物語っています。
トランク部分ですがイオンデポジットも無くなり超鏡面の塗装肌に変身しています。
03コースから02コースに磨きを変更してしまったサイド部分も、スポンジバフだけの磨きでここまで傷を処理することが出来ました。
サイドは傷が目立たないとは故、トップ部分が超鏡面状態になっていてサイドがショボショボではオーナー様がおかわいそうと、かなり気合を入れてスポンジバフの磨きを超越した磨きで磨き上げました。
右の写真の左上の白い部分は傷ではなくカーテンの写りこみです。
このような部分は手で根気よく磨き上げます、それでもここまできれいになります。
この違いは一目瞭然でしょう!
フロントウインドウ前の樹脂が白茶けていると車はかなりやつれて見えます。
今回使用したコーティング剤はこのような未塗装樹脂にも施工可能ですが、ここまで艶は回復しないため、このような部分は未塗装樹脂専用のガラスコーティング剤でコーティングをいたします。
もちろん標準施工です、追加は頂きません。
Alfa Romeo アルファロメオ 156 2.0 TS コーティング終了
ぱっとみは黒のメタリックなのですが、光が当たると茶色にも見えます。
塗装の寿命部分を除けば会心の作の1台です。
完全とはいきませんでしたがあれだけあった傷は跡形も無くなり、クレーターになり白く見えたイオンデポジットもかなり目立たなくはなりました。
これで硬いガラスコーティングも施工されましたので現状維持は出来るようにはなりました。
オーナー様はかなりこのお車に思い入れがおありのご様子でしたので、これでまだ何年も素敵なカーライフをお送りに成れると思います。
お時間の都合等により露天駐車の方はご使用後汚れたままであってもそのまま駐車されて雨が降りそれが乾き又埃や花粉や排気ガスが付着し又太陽に照られ・・・・・・
この繰り返しだと思います。
管理状態の良い悪いはありますがこのような経緯は避けることが出来ないと思います、これがイオンデポジットが出来てしまう最大の理由です。
汚れや埃などに含まれる酸やイオンが乾き濡れ又乾きの繰り返しの中で白く丸いこびりつきが出来ていきます、はじめは上に伸びて生きますが一定のところで今度は塗装に食い込み始めます。
ここで洗車をして洗い流さないと知らない間に塗装はクレーターだらけになり通常の磨きでは対処できなくなってしまいます。
1度クレーターが出来てしまうと後の進行速度は驚くほど速いスピードでクレーターは増え深くなっていきます、これは初めに出来たくぼみがあるために酸やイオンが堆積しやすくなり水をかけた程度では落ちない為どんどんとクレーター侵食を加速させることとなります。
理由ばかりを説明しても解決になりませんので解決策ですが、
このようなところではないでしょうか!
しかし1・2はよっぽどの暇人ではない限り実行不可能です。
3番も誰でも実行は難しいでしょう。
4.5番はある程度どなたでも可能ではないでしょうか!
4番はなぜやめたほうが良いのかといいますと、石油系溶剤を含むものがほとんどですので埃を呼び寄せやすい上劣化すると酸やイオンのいたずらの手助けをするようになってしまいます。
WAXでもザイモールのように石油系のものが全く入っておらずカルナバ成分が40パーセントを超えるようなものはそれほど影響ないと思います。
ポリマーも今は無機系ガラス系のものもありますのでそのようなものはある程度安心だとは思います。
行き着くところはガラスコーティングで硬い無機の被膜を作り、バリアーを張ってあげることが1番効果的防御法ではないでしょうか!
ただし撥水性のコーティングで機能層をフッ素などで形成しているタイプは、コーティングの上フッ素の中にイオンデポジットが出来てしまうことも有りますので注意が必要です。
ただしガラス層が侵されるわけではありませんので、メインテナンスを施工店でしてもらうことで対処可能です。
ガラスコーティングを施工することはある程度の出費にはなってしまいます、しかし塗装が侵されたものは修繕しようとすれば更に大きな出費となってしまいます。
転ばぬ先の杖としてぜひガラスコーティングで大切な愛車を守ってやってください。
施工コース:マーベラスフィニッシュ・プレミアム ガラスコーティング+02磨きコース(軽度の磨き)+04磨きコーストップパネル3枚(超鏡面磨き)+ホイルガラスコーティング
施工料金:146.596円税込み(輸入車割り増し磨き10%・お持込お引き取り割引10% 適応)
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