2015年04月12日公開|マセラティ
これまた常連中の常連プレミアム会員様、また今年も日本海より年末にご入庫いただきました!
大量降雪地域ですので、冬季はこのお車にお乗りになられない為、このお車を購入されてからは毎年12月~4月くらいの間は弊社でお預かりさせて頂き、その間に再施工もしくはリセットメインテナンスなどを行わさせて頂いております。
ただしこのようなご対応は、プレミアム会員様のみのサービスとなります!
このお車、購入当時は会社の景気も良く、
「領収書も釣りもいらないよ!」
豪気で羽振りもよろしかったのですが、ここ数年はかなり財政状態が厳しくなられたそうで、
「領収書は切ってね!」
「サービス施工は○○はやってよ!」
「端数は切るでしょうー」
しかしこれは聞けませんからー
等、大分風向きは弊社には逆風が吹き始めているような?
全国的に見ても、確かに都市部やある特定の業種などは非常に好景気のようですが、地方や多くの産業ではまだまだ景気回復してきていないどころか、
さらにドツボにはまってしまっているようなことも良く耳にいたしますので、2極化には今後歯止めはかからないでしょうねー
とはいえ、こちらのお客様も確かに好景気とは言えないでしょうが、とある遊びにはまられて湯水のごとく大枚消費しているのが最大の財布を脅かしている理由だと思うのですが?
「百瀬さんもこれやってみれば、絶対はまるから!」
と力説されますが、そもそもその遊び私は嫌いですので、
嵌るも嵌らないもやり始めるきっかけすら100%在りませんから!
誘わないでください・・・
お越しになられる際には、
毎回必ずお土産をお持ちいただきありがたい事なのですが、残念ながら私日本酒は一切飲めない・・・
ご存じであられるのですが、結構の確率で日本酒をお持ち下さる。
どうせならビールにして!!!
お世話になっている方へ贈答として重宝させて頂いておりますが、いつも地元でしか手に入れることが困難な日本酒をお持ち下さるので、送り先の方々は大の日本酒好きが多いですのでその都度、
「ほー、これは珍しい貴重品だねー」
「味わってありがたく頂くわー」
と、喜んでいただいております。
中にはすでにどなたからのお土産の回し品かを知っていて、
「○○さん今年も来るのかねー」
等と、期待して事前に唾を付けようとする輩までいるほど・・・
まー、弊社関係者の中では一番の有名人ですから?
今回初めてこのお車に対して、窓枠のメッキモールの磨きを行います。
イタ車の場合は、ドイツ車に比べメッキの錆や曇りは起こりにくいですが、さすがに8年ほど経過してきますと車庫保管車であってもこの程度の錆は起こってきてしまいます・・・
通常この手の車種となると日常使用には供されませんから、こんなに早く腐食はしないのですが、このオーナー様このお車で毎日仕事にもいかれますし、
その為洗車頻度も高いため腐食に対しては、比較的強いはずのマセラティのメッキモールでもこのようになってしまいます。
メッキの磨きは、腐食の強さが問題となりますが、これはボディの傷と同じでどの程度の強さの磨きが必要なのかは、その食い込んでいる深度により違ってきます。
この様に全面が曇りを起こしているんではなく、部分的に点在している場合でも、
重症という場合もありますので、
磨きの実際に行う必要のあるランク決定は磨いてみてからの最終決定となります。
今回は、症状は比較的軽かったようで、“ライトポリッシュ”でOKでした!
ドイツ車ですと見た目が同じようなレベルであっても、
ヘビーポリッシュが必要な可能性もありますから、ボロイボロイと言われがちなイタ車でも、ドイツ車よりも優れている所もあるのですねー
磨き終わったところで、メッキモールに対しての“ラジカル・コーティング”の施工を行います!
これは、ヘッドライトカバーと同じでメッキには官能基がゼロの為、磨き終えたメッキモールに対して直にシリカ(ガラス)系コーティングを施行したとしても密着は起こりえません。
これは、メッキ専用などと謳っていても絶対に安定密着を起こすことは、
物理原則上有りえません・・・
せいぜい6か月持てばいい方でしょう。
然し、このラジカル・コーティングをベースコートとして行えば、
メッキモールは官能基に埋め尽くされますので、
物理理論上はエンドレスの密着を起こせることとなります!
バーナーからの焼き付けコーティングですので、ピンポイントでのコーティングができないことと、メッキモールの脇にはゴムモールもありますので、それらに不具合が起こらないようにするために、このように耐熱アルミマスキングで保護をしてからのラジカルコーティングの施工となります。
ラジカル・コーティング施工後に、メーカーさんに特別に作って頂いている“メッキモール専用のシリカコーティング”を施行します!
これはメタルクリーンを施工なされた方は、
どなたでも標準施工となります。
官能基に埋め尽くされたメッキモールに対してコーティング剤を塗り込むと、
塗った瞬間から分子間結合引力が強力に働く為、一般的なコーティング剤のようにある一定時間のブランクを取ることは必要ありません。
逆に5分程度でもブランクを取ってしまえば、
拭き上げ不能となってしまうほどその密着力は強力です。
この際の専用トップコートも“Wコート”(ラジカル・コーティング施工車のみ)で施工いたします!
理論上はこれでメッキの再度の腐食やくすみは起こらないとなりますが、
あくまでこれは新品であることやラボでの話ですので、このように磨き処理後であったり弊社のような工場施行では100%とはいかない可能性もあります・・・
とはいえ、相当のコート力はありますので、
今までのメッキの経年変化のようなレベルでの進行だけは起こらないことは確実です!
今回の御入庫の最大の理由は、
部分的についてしまった傷の処理です。
この水銀灯の横を上下に走る長い傷は、オーナー様は気付かれていませんでしたが、施工中に発見してしまったために御伺いの結果、これも“スポット磨き”にて処理となりました!
が・・・
この傷60cm以上の長さがあり、
しかもよく付近を観察すると更に同じパネル側面にも2本目立つ傷が存在しています・・・
スポット磨きは磨きを行うと、柚子肌が変化してしまうためその変化を、
グラデーションするために30cm×30cmの施工範囲での施工となりますが、このパネルの目立つ傷を処理するとなると4区画は最低でも必要となりますが、事前に施工指定を頂いた部分ではないために、さすがに4区画での請求は気が引けますので、
3区画分は涙を呑んでのサービス施工!
というのも、ご入庫の際の見積もり段階でも、
「フル施行でもないのに、20万近い施工費が掛かるのかよー」
と、かなり今回は出費を気になされていらっしゃいましたので、
「掛かるものはしょうがないでしょう、じゃやめますか?」
と言えば、渋々ながらも承諾なさることは判っておりますが、このお車との入れかえで新車の施工も1台頂いておりますので、ここはご機嫌取りの意味も含めてサービスです!
これは事前ご指定いただいていた、
右クォーターにあるスポット磨き対応の傷。
何せどこにでもこのお車で出かけてしまわれるため、工事現場で職人さんと会話中に、
ここにヘルメットを落されてしまったそうです・・・
落されたのが、いらしている建設会社の社長の奥さんだったそうで、流石に今回は直せとは言いづらく、涙涙の自費修理となされたそうな・・・
然し、上記したようにスポット磨き施工範囲は30cm×30cmですので、
隣接するリアバンパーも施工範囲に掛かってきてしまうために、
磨き処理後のコーティング施工範囲は右クォータとリアバンパーの2パネルとなってしまいますが、これはまたもや弊社での泣く泣くのサービス施工!
この傷が一番気になされていた傷・・・
これに関してはすでに昨年の秋ごろから騒がれていました。
全くどこで付いたのか?
いつ付いたのか?
さえ皆目見当がつかず、しかも傷が細かな波状の傷口になっている珍しい傷です・・・
「磨き取れない場合は再塗装して!」
とは言われていましたが、このお車のフロントバンパーの、
再塗装となるとそれだけでも20万円近くしてしまいますので、
そうならないように頑張って磨き取ります!
再塗装すら覚悟されていますので、膜厚測定が不可能な場所ではありますが、
博打的磨き方が可能ですので、その分無理はできるのが救いです。
この傷もやはりオーナー様はご存じなかった・・・
3本の傷が塗装を切断したように鋭利に切り裂かれています。
知らずに何かにバックしていて擦ってしまったというよりは、
自転車のペダルなどで擦られたような感じです・・・
これはちょっと深すぎて、完全には磨き処理は無理なような?
オーナー様も流石に此処の部分は、
「磨き取れなければ再塗装!」
とは言われずに、
「傷残りしても立っていて見えるところでは無いのであれば、
できる範囲で妥協するよ・・・」
とのこと。
上記したスポット磨き終了いたしましたが、3パネルはほぼ完全に処理できましたが、リアバンパーの3本の傷のうち一番上の傷1本は無理でした・・・
これ以上の攻めは、クリアーの安全残存厚が危ぶまれるために、オーナー様の了解を頂いてここで止め・・・
今回ご入庫のもう一つの作業指定が、“メインテナンス磨き”です!
これは既存施工コーティングがグラスコート・アルティメットの為、
高膜厚・高硬度ですので数回のメインテナンス磨きが可能となります。
由って今回で3回目!
本来は、弊社磨きコースでいうところの“01スパーライト磨きコース”でのご対応で、パーフェクト磨きでの最終研磨用コンパウンドを使用しますが、
今回はこれでは役不足のような?
ご覧のように磨き前の部分は相当のスクラッチ傷の覆われてしまっています・・・
しかもコーティングの上に何か曇りが出来てしまっています?
上記したようにメインテナンス磨きの為の通常磨きである、
パーフェクト磨き用最終仕上げで行ってみましたが、状況改善率が芳しくない為、もう一段強い磨きである、スタンダード用最終磨きで対応することといたしました!
但し、研磨力が強くなる分改善率は高まりますが、
その分コーティングも削り取ってしまうため、今回のメインテナンス磨きが最終となり、
今年の年末ご入庫の際には再施工となることをご了承いただきました。
然し、今回の曇の状態はなぜ?
となりますが、色々考えてみた結果は水道水に原因があるという結論・・・
つまり、洗車が原因!
水道水は、ミネラルウォーター+人工的上水添加物で構成されているため、雨水に比べて非常にアルキル金属基の含有量が多い。
其処に持ってきて、お住まいの地域の水質にはとても鉄分も多い・・・
飲料水として適した水ほど、洗車には不向きとなります。
由って、このような曇りの原因はミネラル分の付着・・・
細かなスクラッチも、水道水に含まれる細かな鉄分の粒子の可能性が大なような?
これらが原因だとすると、このようなことを回避するためには純水洗車となりますが、これは自宅では現実的に無理・・・
ですので、少しでも状況改善をするために、洗車用蛇口に浄水器を設置することとなりました!
これで、ミネラル分もそれなりに除去できますし、
細かな鉄の粒子ならば完全に除去されるでしょう。
これで今年1年を試してみて、状況改善がなされるのかを観察することとなりました。
此れでもダメなら、また振出しから検証・対策考慮しなおしです・・・
メインテナンス磨きも終了し、曇りの除去とスクラッチの除去は終了いたしました!
然し、もともとあるイオンデポジットクレーターは当然ながら改善はされません・・・
このお車の場合は、
購入初期の段階でこのような致命的イオンデポジットクレーターを作ってしまっていますので、何回かのペーパー施工はチャレンジしましたが、
膜厚残存性の観点から磨き取るには至っておりません。
これから更にまだまだ長くお乗りになられるのであれば、
そろそろトップ部分であるボンネット・ルーフ・トランクはクリアーの再塗装は検討しても良いころでしょう。
相当の金額にはなりますので、趣味は抑えて且つお仕事にも頑張られて、
資金調達を準備しましょう!
新車に乗り換える選択もありますが、
私と同じで“現行新車では欲しいと思える車が無い”というジレンマがそこに踏み切れないでいらっしゃいます。
ホント、今の出る新車は糞車ばかり・・・
MASERATI マセラティ エグゼクティブGTオートマチック
(GH-MQP)メインテナンス磨き及び補修コーティング終了
今年も定例の冬季お預かり施工終了いたしました!
今回が今までで一番軽度な作業だったような?
今回は、お母様のお車新車入れ替えとのことで、お引き取りの際にはお母様のお車をお乗りになられての来社でしたが、200kmにも及ぶ軽自動車の旅は結構お疲れでしょう。
多分私では耐えられない試練ですねー
予定より磨きの内容がハードになってしまい、
結果コーティング残存性がかなり限界に近づくこととなってしまいましたが、何よりも一番気になされる意匠性回復はその分良い感じとなったともいます。
然し、その代わりに今年の年末の定期入庫では、再コーティングは決定事項となってしまわれましたので、其処は目をつぶって頂くしかないとご了承いただくほかありません・・・
但し、現段階でもすでに早いもので8年が経過してしまいましたが、いくら現在心動かされる新車が無いと言ってもあと10年というのはかなり無理があるでしょう。
そこまでお乗りになろうと思えば、
マセラティの耐久性は度外視されたエンジンはフルオーバーホールという事も必要になってくるでしょうし、現時点でもそれなりの整備費用が掛かっていますが、
それもうなぎ上りに嵩むことも目に見えている・・・
日常使用で使用しない趣味車に降格(昇進)して、
足車は別に割り切って用意されたほうが得策というものでは?
ですが、オーナー様の性格上恐らく1.000万円以下の車は無いでしょうから、
確かに欲しくもない車を1.000万円出して買うのも馬鹿らしい・・・
さーて、どうなさるおつもりか?
本年も定例ご入庫、ありがとうございました。
先日検討しました浄水器、取り付け後の結果検証が楽しみです。
これでかなりの改善が出来れば、種々の問題が解決し、管理は相当楽になられるはずですが。
これより、お母様のお車施行に入りますが、このお車とな時用に気合を入れて施工いたします。
会員クラス:プレミアム会員
車両クラス:クラスX-2
施工コース:
コーティングコース=グラスコート・アルティメット ガラスコーティング(フロントバンパー・左フロントフェイダー・右クォーター サービス施工=リアバンパー)
磨きコース=01スパーライト磨きコース(既存コーティングを残したメインテナンス磨き)
オプション施工1=部分傷取り磨き(スポット磨き×7区画 内3区画サービス)
オプション施工2=メタルクリーン(ウインドウメッキモール=左右6m×ライトポリッシュ×メッキ専用コーティング)
オプション施工3=ラジカル・コーティング(施工範囲上記範囲と同じ・3m分はサービス施工)
施工料金:204.129円税込(会員オプション割引-10%・輸入車割増磨き+10%・濃色車割増磨きランク1+20%・ソリッド塗装割増磨き+10% 適応・高速代バック適応外 コーティング補修基本料含む)
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